04/09 「おっさん論」

 というわけで、なんでしょうね、あけましておめでとうございます。ほらそこ変な顔しない。いやもうなんてんですか、去年なんかもう何回更新したんだってなもんで、まあそれに対しての悪口雑言ももう来なくなりましたしね、どれくらいの人が見てるんだかっていうかもうおそらく片手の指で数えられるくらいしか見てないと思うんですがそれはともかく、あれですよ、去年なんてのはもうほんとに驚くほどいろんなことがありましてね、なんかもう激動の年だったわけです。
 それにくらべてどうだ、今年なんかもうほんとにね、ほんとにダメな年っていうかこうなんだ、これが不思議なことにまったくいいことがないこれがもうな、なんせ年あけていきなり婆さん死にましたしね、すごい出だしですよ。ゲートが開いていきなり後ろ向きに5頭くらい逆方向に走っていきましたもの。
 まあね、そんな新年からの愚痴を聞かされてもね、もうこういう日記系サイトでは定番のエイプリルフールも過ぎてだ、桜がそろそろ散るかなあって季節ですよ、いい加減もう前向きに立ち直らなければならないとこう思うわけです。
 そんな決意を別にここに書いても仕方ないんですけど、まあそれはそれ、たとえ誰も読んでなくても、なんかそういうの言霊ってんですか、実際に口に出して云うんではない、文字に書いて、しかもパソコンのキーボードを通して打つ言葉に言霊があるかどうかはわかりませんけども、なんかそういうことに意味があるかもしれないじゃないですか。
 いやべつになんだ、そら確かにね、前々から彼女ができたらここの更新なんかしてる暇なくなるでみたいなこと云ってましたけどね、そういうなんだ、こう毎日が楽しくてまったくそっちにかまってる暇がないみたいなそういうことじゃなくて、そらもうわたしだって37ですからね、何度も書いてる通りおっさんに片足突っ込んでるどころかまごうことなきおっさんですから、そのなんてんですか、自転車二人乗りで後ろの席で横座りで夕方の土手を走ったりとか、文化祭の実行委員になってしまった夕方の教室で二人っきりで残されて黙々と作業をしながらの微妙な照れくさい感じとか、卒業式に満開の桜の木の下で二人で歩いていて突然振り返った彼女が満開の笑顔で「これからもよろしくね!」って云ったりとかみたいな、そういうあれはないわけです。だいたい教室がないし。
 なんかね、これももう何度も書いてることではあるんですけど、たとえばそうだなあ、わたしが現役で教室で文化祭の準備をしていた頃、ああいや別にそこには女の子と二人っきりとかそういうのはまったくなかったのであれですけど、あのころに37歳の自分がどうなってるかなんて想像すらしなかったっていうか、そもそも自分が37歳になるということすら想像してなかった気がするんですよ。
 いやね、人間だけでなく動物も、あるいは物質すべては年をとりますからね、あの頃に若手アイドルとか子役とかだった芸能人だって今では年を重ねてもうベテランなわけですし、プルトニウムだって2万年で半減期を迎えるわけですよ。あまねくすべてのものは、時間の経過にあがなえないわけです。
 そういうことからすれば、「37歳になることを想像できない」ってのはおかしな話なんですけど、でもおそらくそういうことだと思うんですよね。だっていまのわたしは、60歳になることを意識的にでなければ想像して生きてないと思うんですよ。それと同じくか、あるいは若さゆえにそれ以上に、自分が30代後半という年齢になるということを意識などしたことがなかったと思うんです。
 と、なんかカッコイイようなこと云ってますけど、別に云いたいことはそんな昼間のFMラジオDJみたいなことじゃなくて、じゃあはたして、37歳はいったいどういうことをすればいいのか、ということなわけです。
 いやな、別に法に触れなければなにをしてもよかろうとそういうことではなく、別に法には触れないけどやっぱり教室で女の子と二人きりにはなれないし、卒業式に桜の木の下で満開の笑顔で微笑みかけられることもできないわけじゃないですか。つまりそれは、37歳のエンジョイの仕方としてはこれ間違ってるわけです。いや間違ってはないけど。やれるもんならやってみたい。
 なんかわかんないですけどね、わたしが中学生とかの頃ってのはまだ微妙にではありますがバブルの残り香が漂ってまして、まあ、今に比べたらこの30代ってのはちょっとカネがあったんでしょうなあ、ゴルフとかそういう遊びに明け暮れてるイメージがあったわけなんですけど、わたし生まれてこのかた一度もゴルフなんてやったことないですしね、まあもしかしたらやってみれば面白いのかもしれませんけど、今のところゴルフクラブの一本も持ってませんし、だいたいルールもよくわかんないですから、なんかそれもなあって気はするんですよ。
 そもそもゴルフって何人でやるのか知りませんけど、なんかあんまり一人でやってるイメージないじゃないですか。なんかこう取引先の専務とかと行って、ナイショーとか云うみたいなそういうあれで、なんかこうわかんないですけど、一人でゴルフのコースをひたすら回る、みたいなのが一般的なのかどうかがわかんないわけです。というかたぶん違うだろどう考えても。打ちっぱなしじゃねえんだから。
 そうするとな、これがさらに難易度が上がるのが、ゴルフにいっしょに行ってくれる人が必要になるみたいなことで、いまからこの年で新しく「ゴルフ行きましょうよ」みたいなことというのは、まあないわけですよ。
 じゃあなんだ、お酒とかそういうあれか、と思うと、わたしはもうむっちゃ酒弱いですからね、缶ビール1本も飲めばもうへろへろですし、ついでに云えば発泡酒とビールの味の差もよくわかりませんし、ワインだの焼酎だの日本酒だのになるともうただ苦いだけでなにが美味いのかさっぱりわかりませんからね、よくこう大人の趣味として、お酒をたしなむというか、なんかバーみたいなところで高いお酒を注文して「ほう。今日のはちょっと違うね」「さすがですね、おわかりになりますか。実は幻の銘酒が入ったんですよ」「やはりね、昔飲んだ味に似てると思ったんだ」みたいなこととか、そんなことをしてると翌日にバーのマスターが「今日はめったに入らない酒が入ったんですよ」とか云って飲み比べとかみたいにして出してくれたりみたいなのなんでしょうけど、あたしなんかそんなんなに出されても結局なんか苦いなあで終わりですからね、マスターも出し甲斐ないってもんでしょうこんなものは。たぶんジンジャーエールとか飲んどけって云われると思うもの。
 それに付随して料理っていうか、自分で作るんじゃなくてなんかこうちょっと高級なレストランとかに行って高級な食事をたしなむみたいなのもあるかもしれませんが、これもあれですよ、最近の健康診断でどうもあんまりよろしくない結果が出て、基本野菜生活ですからね、野菜生活ってもだし汁にキャベツやらもやしやらをぶちこんで煮るだけの「オリジナル野菜鍋」がここんとこ毎日の食事ですから、こんなものグルメとかそんなものでもぜんぜんない。たぶん健康的ですらないと思う。
 じゃあ自分でなにやってるかっていうと、なんかこうなんだ、『アイドルマスター』とかのライブでフッフー云ってたりするわけで、こんなもの昔と全然変わらないじゃないかと思ったんですけど昔はまだそういうことに対して照れがありましたからね、それができるようになってる分退化してるのかそうかそうか。
 一時期はアニメとか見るようになりましたが、これももう同じ時間にテレビの前にいるということがまたしてもできなくなってまったく見なくなりましたし、昔はそれこそライフワークのようにやってたゲームなんて、プレイステーション4を発売日に買って、設置して10分くらいアップデートのために起動して、それ以来一度も起動してないですからね、もはや何のために買ったのかすらよくわからない。
 ということで、なんだろうな、まあ間違いなくだだらに過ぎていく感というのはあってだな、だからといって昔無職だったときみたいに、こうああ今日もなんにもしなかったなあみたいなそういうこともないということは、これはあれか、おっさんにありがちな、「仕事で忙しくてなんにもできないんだよ」的なあれか。
 ああなんだ、結局おっさんになってたんだなあたしは。なんだこの結論は。今年もよろしくお願いいたします。


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