ということで、あれですよね、いつもはここも真冬に海水浴の話したり、真夏に初詣の話したりするサイトではありますけどもね、たまにはこうあれだ、リアルタイム感溢れる話をしようと思うんですよ。なんかほら、よく生放送の番組とかでいきなりリアルタイムの話題をわざと入れてちょっとリアルタイム感出したりすることあるじゃないですか、ああいうあれですよね。
　というわけで成人式ですよ。過ぎてるよ過ぎてる。もう過ぎてるよ高御君。もうこのページにおいてプラスマイナス三か月くらいは誤差ですよ誤差。もう今ぷりんす号シージャック事件の話をしたってそんなもの誤差ですよ。しませんけど。
　まあそのね、ニュースなんかで「荒れる成人式」なんてのをやってて、コメンテーターの人なんかが「最近の若いもんは」みたいなことを云ったりしてるわけなんですけども、あたしが成人式に行ったのなんてもう3年前の話ですけどね、とか10年以上の年齢詐称をさらっとやってのけたところで、当時のあたしだって別に「今日から大人だ！　気を引き締めていこう！」なんて思ってなかったような気がするんですよ。
　いやそらね、もちろんあんな風にバカ騒ぎしようとか、市長が喋ってるところで大声で話したりとかするほどのお子様ではありませんでしたけど、じゃあよくワタミの社長あたりが『バンキシャ！』とかで云ってそうな「大人の自覚を持って」とかそんなこと微塵も思ってなかったと思うんですよね。基本的に最近の（というのは、あたしの世代も含めて）ハタチなんてまだまだ子どもの要素がいっぱいあるんだと思うのです。そうじゃない人もいっぱいいるとは思いますけどもねもちろん。
　まあ、あたしの場合も当時は学生でしたし、そういう心持ちでいろというのもなかなかに難しい話だとは思うんですけど、やっぱり久しぶりに小学生中学生時代の友達に会えることのほうがはるかに大きい感じでしたしね、実際そうやって久しぶりに会った友達なんかもうほんとに話に花が咲くじゃないですか。中学生のときに喧嘩してそのまま卒業した友達と和解したりしたもの。
　それにあれですよ、なにより当時好きだと告白して撃沈した女の子が成長して晴れ着姿でいたりしましたからね、なんかもうすごい複雑な気持ちになったりするわけですよ。
　いやもちろん話しかけたりとかできませんでしたよ？　そらそうですよ、そこで「久しぶりだね」なんて爽やかに声をかけられたらこんな生活してませんよしてませんさ。ただ遠くで見つめつつ幸せを祈るだけでしたよそんなものは。彼女は今元気でいるんでしょうか。今頃誰かと結婚して子どもがいたりするんでしょうかするんだろうな彼女としてはこんな33歳まで童貞の男とお付き合いしないで結果的にはおおむね正解だったんじゃないでしょうか。
　ただね、あの頃はあんまり「荒れる」という風潮はなくて、先にも書いたように市長が喋ってるときに聞きゃしねえで喋ってるような輩はいっぱいいましたが（まあその、市長が実際に聞くに値することを喋ってるかどうかはとりあえずおいといて）、こうなんだ、中学生時代に三沢中に殴りこみに行くとか七生中が攻めてきたとかこの明治維新も廃藩置県も済んだ太平日本の世の中で『信長の野望』みたいな生活をしていた方々も来てましたけど、そういう方面でのやんちゃはやってなかった気がするんですよね。
　たぶんですけど、ああいう報道されてるようなやんちゃをする輩というのはこれはもう本当に一部だと思うんですけど、結局年末年始の暴走族と同じで、「テレビでやるからいっちょ俺たちも目立つべ」という悪循環な気がするのです。
　なんかこうあるんですよね、ああいう人たちの間では、多少悪事に足を染めようが、目立った奴が一番偉い、みたいなそういう風潮というやつが。そりゃね、成人式なんて「昔ワルやっててさあ」時代の友達は集まるわ、ほかの中学の奴らは集まるわ、目立ちてえ！という欲求というのは絶対出てきて当たり前なんですよ。
　いい年して社会に反抗というのもなんかアレな話ではあるんですけどもね、実際、彼らの楽しみなんてそんなもんしかないわけなんでコレはもう仕方がないわけですよね。実際問題、ああいう騒ぎ方しないにしても、なんかもう特攻の拓みたいな髪型で羽織袴姿の人とかいっぱいいるわけで、もうどうしようもない。いろいろがんばれとしか云いようがないわけです。
　そういうことからすれば、成人式なんて不毛だからもうやめちゃえば？とも思うんですけども、いちおうあたしらもその古い友達に会えるというのはこれは嬉しかったわけで、あたしはなかったですけどたぶんそこから合コンみたいなのに発展して過去に好きだったあの娘と10年の月日を経て恋仲になったりすることもきっとあったりするわけで、それはそれで気の毒だなあという気はするんですよ。
　別にあの手の人たちを擁護しているわけではなく、ああいうのは純粋にバカだと思うので、というかあたしは人が話をしているときに人の話を聞かないで喋る人間はバカだと思ってますしそういうのが大嫌いなのでもう論外なんですけど、そういうバカのせいで普通の人の楽しみを奪ってしまうのはちょっとね、というのはあるわけです。
　とりあえずあたしの場合も、なんかみんなでカラオケとか行って騒いでいたような気がするんですが、そこにいたのが全員男だったということが今考えればもうちょっとなんとかならなかったのかなあというようなアレと、当時参加者に写真アルバムが配られたんですが、これが参加者にとって大不評だったらしく、会場になってた公民館のゴミ箱に大量に捨てられていてなんかもうものすごく切なかったような覚えがあります。使い道がなかったのかもしれないけども、なにも貰ったその場で記念品を捨てるこたないよな。なんかもう作った人とかにすごく失礼じゃないか。
　まあ、このご時世成人になったからどうこうってのもたいしてありませんしね、そういう意味での緊張感を持てというのはこれはこれで結構難しいとは思うんですよね。別に元服したから今日から政治の中枢にとかあるわけでもないですし。いつまで戻ってんだそれ。
　社会的に一番大きいのは選挙権が貰えるくらいのもんですが、選挙に参加できる！と云われてテンション上がる人って、なんかこうすごい特定の政党支持者くらいのもんでしょうしね、あとは酒と煙草が合法化されるとかありますけども、好きなやつはもうその前からやってるでしょうし、昔に比べて成人になったからどうした、というのはすごく薄いんでしょう。
　あたしの場合、高校生くらいのときに漠然と持っていた、成人の頃にはきっと彼女の一人もいてしあわせな恋愛生活を送っているのだろうなあみたいなそんなようななんの根拠もない自信が崩壊した瞬間でしたからね、まあそのなんだ、顔方面が非常に不自由であることは自覚してましたけど、これはもしかしてあたしは本格的に延々と童貞を守り続ける運命にあるのではないか、となんとなく自覚した瞬間でしたし、そういうことからすれば大事な瞬間ではあったわけですけど、それはそれでなんかこうものすごい悲しい話ではある気がしてきた。それにしたっていやまさかここまでこじらせるとは思わなかったけどもな。
　とまあそんなようなあれで新成人の皆様おめでとうございます。そんな頃からこんな不毛なページ見てると不幸になるよ。少なくとも33歳まで彼女できなくなるぞ！