ということで、そろそろあの日が近づいてきてるじゃないですか。あの日ですよあの日。ほら14日の。コミケのサークル参加申込締切。忘れないようにしないと。
　という類のネタはやればやるほど悲しくなるだけなのでさっさと先に行きますけども、バレンタインデーじゃないですか。もうニュースなんか見るとそこここで『バレンタイン・キッス』を聞く羽目になっていつまでバレンタインにこの曲を使うんだほかにないのかと思うことしきりですが、最近はなんだか不況の影響なのかイベントがあればとにかく乗れとばかりにお菓子業界以外もいろいろプレゼントしようとか、お菓子業界はお菓子業界で売り上げアップを目指すためか「男から女にプレゼントしてみよう」みたいなキャンペーンまで出てくるようになって、なんだかいろいろ大変だなあと思わずにはいられませんね。なんで人事か。
　まああれですよ、たぶん今年もなにもないですよ確実に。終わったあとに「なんかあったんですかどうせあるわけがないですよね」みたいな君はそんなにあたしが嫌いか、みたいなＷＥＢ拍手がいっぱい来るのはわかってるので先に云っとくけど間違いなくなにもないから。
　なんかわかんないですけども、世の中にはこういう風にＷＥＢサイトとかやってて、それでそこを読んでる女の子と出会っていい仲になるみたいなこともあるらしいじゃないですか。場合によってはそのままお付き合いしたりなんてこともまあない話じゃないらしいじゃないですか。
　そこへ来てなんだ、あたしなんかはもうここで何の役にも立たない文章を書き散らして10年とか以上になりますけどもね、一度もないですよそんなものは。っていうかここを読んでるなんて云う奇特な女子の人も世の中にはいるのだという噂は、幾度となく遠い風の噂で聞いたことはありますけども、もう天草四郎の隠し財宝クラスの伝説でして、当然ですけども実際に会ったことなんか一度もありませんもの。ていうかそんなものやれ童貞だなんだ云ってるサイトにそんな素敵な出会いがあってたまるか。
　まあそのあれですよ、よくネットとかで見かける「カップル粉砕」「バレンタイン粉砕」みたいなのって、なんか逆にむちゃくちゃかっこ悪いじゃないですか。むしろかっこ悪いのをわかっててやってるんだよとそういうあれもあるかもしれませんけども、それじゃあなんだ、面白いと思ってやってるのかあれをという話になってくるわけで、はっきり云ってちっとも面白くないわけです。結局のところなにがしたいのかよくわからない。32年間童貞を守り抜いてきたあたしから見てもわからない。
　だってあれだもの、あたしだって普通に彼女とかいたらやっぱりバレンタインデーとかいちゃいちゃしたいじゃないですか。なんか手とか繋いでまだちょっと寒さの残る町を歩いたりしたいじゃないですか。それを粉砕とか云われても、そのなんだ、困る。男の子の素朴な夢くらい残してくれたっていいじゃないか。
　それでもまあ、32年も童貞やってるといい加減なんかあればいいなあみたいなそういう思いも薄くなってくるもので、昔なんかは結構ことあるごとに期待してたところがあったんですよ。なんの根拠もないのに。なんかあれか、どっかから女の子がぽっと沸いて出てくるとでも思ってたのか過去のあたしは。
　まあそれもだんだんと時間が経つにつれて現実が見えてくるものでして、そうか、あたしは究極なまでにモテないんだ！！！！！！と「！」を６個つけるくらいに発見をしたとき、こうぱっと世界が開けた気がしましたね。なんかあれなんだろうなあ、うすうす感づいてはいたけども認めたくないところがあったんだろうなきっと。もっと早く気づけよって話ではありますけども。
　そうなるとあれなんですよ、バレンタインデーとかあとクリスマスとか、そういう類のイベントがすっごい人事になるんですよ。なんかこう客観的になるっていうかな、自分のこととはまた別世界の出来事のように感じられるというかな、別になんかそれはそれでいいじゃない、みたいなそんなような。
　別にそれならそれでいいんですけども、それとは別にそろそろそういうのじゃいけないんじゃないかなあみたいな焦りもあるわけじゃないですか。特にこうなんだ、この季節になると途端にチョコレートが買いづらくなったり、テレビからやたらと『バレンタイン・キッス』が流れてきたりすると、ああ今年ももうそんな季節かそういえば俺32歳なのに童貞だ！　みたいなことに驚いたりするわけですよ。なんだかよくわかりませんが。
　そういうあれなので、別にバレンタインデーだからどうこうとか云うことはないです。粉砕するつもりもありませんしそれを享受する予定もございません。まあいいじゃないか世の中にはそういう人もいっぱいいるんだよ？
　まあなんだ、世の中のカップルの人はお幸せに。そしてあたしに素敵な恋を。
　なんだこの終わり方。