09/30「訪問者論」
ということで、あたしが住んでるのは江戸川区にある家賃6万5千円駐車場1万5千円というもう非常に家賃バランスの悪いアパートなんですけども、基本的な家賃はなんせ6万5千円ですからね、やっぱり中は6万5千円なんですよ。意味わかりませんけど。ワンルームで庭付きなんですけど庭が部屋の大きさの半分くらいあるとか意味わかんない。だいたい何に使うんだ庭。ガーデニングでもやれというのか。現に住んでる人誰も使ってないじゃないか。
いやまあアパートについては別に大家さんもいろいろあってのことでしょうし家賃が安いぶんには助かるんでいいんですけども、ただまあ望むべくはバランス的に駐車場もう少し安くしてくれないかなあと思うところではあるんですがそれはともかく、やっぱりなんてかな、こんなとこでも住んでると結構人が来るんですよ。
いや別に14歳セミロングのちょっと泣き虫な巫女さんが悩みがあるからって田舎からこっそり出てきちゃって行くところがないから突然やってきて、ありあわせのもので料理作ったりとか「部屋きれいにしなきゃだめだよー」とか云って掃除をはじめてベッドの下のエロ本を見つけて頬を赤らめる、とかそういうのではなく、っていうかもうどこから突っ込んでいいものやらわからないんで自分で書いておいて全部スルーしていきますけども、知らない人が来るんです。
一番解らないのが平日昼間の11時とかに来る人で、基本的にこんな見るからに独身者用のアパートの平日昼間11時に人がいるわけないだろと思うんですけどもあああたしあいるないるいる。あたしみたいなのが目当てかそうかそうか。『ピンポン!』の福澤朗見てから会社行くサラリーマンとかマジありえない。いやまああたしみたいなのは特別だとしてもどう考えても効率悪いと思うんですよ。金集める気ないだろNHK。払いたくもないがな。
基本的に来るのでやっぱり多いのはセールス関係で、やれ水質調査に来ただのやれテレビの受信状態がどうだみたいなそれ古典的過ぎてもう見え見えですよみたいな感じなんですが、まあそれでもやらざるをえないというかがんばってるんだろうなあみたいなそういうあれですよね。いらないって浄水器なんか。
一回びっくりしたのは分譲のマンション買いませんかみたいな人が来たことがあったんですけども、一ヶ月6万5千円の家賃の部屋に住んでる奴がマンション買うわけないだろ。マンション買えるくらいならとっくに買ってそっちに住んでるわ。
あたしはいわゆる営業職の経験がないんでアレなんですが、営業職の場合会社によっては度胸をつけさせるためとかなんとかで研修期間に訪問販売を経験させるところなんかもあるらしく、確かに実家にいた頃は車検切れ間近な車の車検シールを見て車買いませんかっていかにも新人っぽい人が来たことがあったなあみたいなあれではあるんですけども、昼間の11時に気持ちよく宮崎哲弥を見ているときにいきなり訪問される方の身にもなっていただきたいとそういうあれですよね。ほんとに気持ちいいのかそれは。
しかしまああの訪問販売というやつは、なんかやらされるほうもたまったもんじゃないしやられるほうもたまったもんじゃないというなんかいいことあるのかこれ。押しに負けて買っちゃう人もいるからこそ成り立つんでしょうけど明らかに効率悪いよな。
あと宗教の人も時々来ますが、この宗教の人は販売の人に比べると格段に厄介でして、販売の人は基本的に「いらない」と云えば帰る人がほとんどなんですけども、宗教の人はとりあえず喋ってこちらに隙を与えませんからね、どうしようかってなもんです。
宗教の人はたぶん兼業なんだと思いますが土曜日曜の休みの日の夕方とかに来ることが多く、ドアを開けるといきなりなんか信条みたいなのを喋りだしたりするので必死に止めるとなんかパンフレットみたいなのを渡して満足気に帰るというなんなんだあれは。自分の喋りたいこと喋れば相手が聞いてなくても満足なのか。
というような、まあなんてかな、たとえば彼女がいる人なんかだと急に彼女が来て料理を作ってくれたり「部屋はきれいにしなきゃダメだよ」なんて云って掃除をはじめてベッドの下のエロ本を見つけて頬を赤らめたりもするんでしょうけども、皆様ご承知の通り今現在順調に魔法使いとしての経験値上昇中なあたしにとってそんなのはもはや夢を通り越して適わぬ憧れの域ですし、基本的に友達もいませんからね、友達が急に来るとか云うようなこともないわけです。なんか自分で云ってて哀しくなってきた。
そんならドアを開けなきゃいいんですけども、なんかこうアレなんですよね、何かこうドアの外にはDOKIDOKIが待ってるんじゃないかと思ってついつい開けちゃうんですよね。なんかただの寂しい奴なんじゃないかという気もしますが。間違ってないですそれは。
と云った所を踏まえたうえで、先日、夜の十時頃だったと思いますが、突然部屋のチャイムが鳴ったんですよ。
こちとらアマゾンから届いたばかりの『ひだまりスケッチ365』のDVDなぞ見ながら半額になった刺身をおかずにご飯のくつろぎタイムでしたからね、邪魔してくれるなってなもんなんですけども、いくらなんでもこの時間にセールスとか宅急便とかありえない。もしかしたら知り合いなのと違うかと思ったわけです。
ドアを開けるとですね、そこに見知らぬ女性がいたんですよ。年のころは二十代中盤くらいだと思うんですけども。
なんせ夜十時ですからね、これはあれか、もしかしてずっと告白しようと迷っていたけどなかなか云い出せずにいたんだけども思い切ってとかそういうあれか、みたいな期待のひとつもするじゃないですか。なんせわざわざこんな時間に尋ねてくるくらいですから、これはもう本気中の本気なのではないかと。そして部屋の中に入って雨に濡れた体を温めるためにシャワーを浴びているその音にどきどきしたりした挙句に着替えがないからって男物の大きいワイシャツなんかを地肌に着たりしてさらにどきどき、みたいなそういうあれじゃなかろうかと。いや雨なんか降ってなかったしそんなでかいワイシャツなんかうちにねえけど。イメージねイメージ。
で、ドアの前でしばらく見詰め合う二人ですよね。いえ10秒くらいですけど。
何を云いだすのかなあと思ったら開口一番すごい怪訝な声で「あんた誰?」って云われました。
いやそれはない。告白とかそういうのだとすれば「あんた誰?」はありえない。っていうかむしろこっちの台詞だ。誰だお前。
続けて「この部屋って213号室じゃないの?」と云われまして。
うちは1階の「113号室」なんですけども、たぶん行ったことないからわかんないですが、213号室ってこの真上だと思うんですよ。数字的に考えて。だいたいドアの横に「113」って書いてあるし、そもそも「213」が1階のわけないだろ。考えてもみろよ。
「ここは113号室ですけど」って云ったら「あっそ」って云って別段謝りもせずに行っちゃいました。あたしのひだまりタイムはどうしてくれるんだ。すみませんとかごめんなさいとかそういうあれはなくていいのかこの場合は。しかものべつタメ口か。夜中の十時にアホかお前は。あたしが性犯罪者だったら部屋に引きずり込まれたりとか大変なことになってるぞお前。よかったな俺が童貞で。いやそれはよくないよ高御君。
まああれです、うちに来る女性なんてそれくらいのもんです。いや来てないだろそれ。
誰かうちに突然やってきてありあわせのもので料理を作ったり部屋を掃除してエロ本見つけて頬を赤らめたりしませんか。特に14歳セミロングの巫女さんは大歓迎です。
<近況報告>
しかしあれだね、日本人の頭を悪くしてるのは間違いなく携帯電話だな。なんか賞を受賞したとかっていう携帯小説(あんなものを小説とは呼びたくないですが)を読んでそう思った。
あんなん昔、『エヴァ』ブームの中で中学生あたりが書いてた20行くらいの自称ショートストーリーと大差ないよな。いやへたすりゃあれより酷いかもしれんぞ。
> 遠野旅行お疲れ様でした。事故など無くてなによりです。ホント良い所ですよね。
いいですねえあそこは。ああいう自然の豊かな場所に行くと落ち着くものですが、遠野はそういうのに含めてさらにいろいろお話がついてくるのでいいですよね。
> 毎度もの凄い距離の日帰りみたいで驚き。ここまで来たら本州越え日帰りにトライしてみるとかどうすか?
前に宮崎に行ったときが十三時間かかったので、福岡がそこから三時間マイナスしても十時間、往復二十時間。先生、何も出来ません!
> ぶっちゃけ旅行記はつまんないので他のを
正直というのは美徳ですが、しかしだな、時にそれは人を傷つけることになるんだぞ。いろいろ凹んでるときにそういうこと云うなよう。
> お寺には興味ないんですか?私は神社もお寺も大好きです。ちょっと奥ゆかしい和風ホラーな処とかは特に。
ないことはないんですけど、あたしはどうも仏像とかのよさがまだわからなくて。あれがわかるようになるとお寺も楽しくなると思うんですけどね。
> 指を切ってしまったので手当てしようとしたらその箱で指を切りました(泣)
なんとなくさだまさしの歌詞みたいだと思った。くすりゆびを切りましたー。
> 何かいい気持ち〜♪
だからなぜ歌う。しかも最初歌だって気づかなかったじゃないか。さてはこれであれか、カネを取ろうという何ラックの使者だな!
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