09/11「値上げ論」
ということで、世の中値上げラッシュですよ。まったく給料はぜんぜん上がってないってのにな。あれなんですよ、社内で「給与のシステムが変わるので全員給料が一律数パーセント上がりますよ」なんてアナウンスがあって、いやあこのインフレの時代にそれは助かるなあたとえ数千円だとしてもそれはありがたいと思ってたらびた一文変わってないでやんの。しかも変わってないのはあたしだけらしいというようななんだそれいじめか。お前みたいな使えない童貞野郎はさっさと辞めろみたいなそういうあれか。減ってないだけありがたいですねそうですね。
というような会社への愚痴は別にチラシの裏にでも書いてろって話ですが、値上げですよ値上げ。
なんかさあ、ニューヨーク原油先物が上がって1バレル150ドル超えそうな勢いだからガソリンも仕方なく値上げしてるんですみたいなこと云われててそれで納得してドライブも控えたりしてたわけなんですけど、今日のニューヨーク原油の価格なんて103ドルとかですからね、それでガソリンそのものは十円程度しか下がってないとかなんなんだいったい。上げるときはガンガン上げて下げるのはちょっと、みたいなそういうあれか。スタンドが苦しいのはわかってるんで石油元売だろうなこれはな。
まあ、一時期200ドルまで上がるかもなんて云われてて、調子に乗って投資してガソリン価格を押し上げてた投資家どもがこの爆下げでえらいことになってるだろうことを考えるとざまあ見ろで別にいいんですが、ガソリン価格でわかるように一度上がったものはなかなか下がらないわけでして、それがつらいわけです。
それでもガソリンなんかはまだ下がってるからいいほうで、小麦とかなんて値上がり一方ですからね、もう大変なことですよ。何が大変かって、これによって貧乏人の味方が次々と討ち死にしてることですよね。
あたしなんかあれですよ、独身貴族とか云ってますけども、完全に没落貴族ですからね、もうなんていうかシルクハットは被ってるけど下はフルチンとかそういう状態ですよ。ただの変態じゃないのかそれ。とにかく独身なことは独身ではあるんですけども、上にも愚痴らせていただきました通り給料なんてアレがソレでムムムなもんですから、はっきり云って生活なんかカツカツですよ。もうね、食費なんか切り詰めるべく閉店時間間際のスーパーで半額のコロッケなんか見つけようもんなら小躍りして今日はごちそうじゃ、ですよ。
そんな貧乏人の代名詞であったはずの、例えばインスタントラーメンなんかもうこれでもかってくらい値上げしてるし、何より貧乏人の最大の味方であったはずのパスタ。これがもうね、すごい勢いで上がってるのな。
だいたいあれじゃないですか、パスタなんてもうお金がないときにがんばるためのツールみたいなところあったじゃないですか。『闇金ウシジマくん』でも、お金がない人が100円の安売りパスタで食いつなぐシーンがあったくらいですよ、ってこれを読んでる人の中にどれだけ『ウシジマくん』を読んでる人がいるのか知りませんがそれはともかく、安い割りにそこそこ腹に溜まるというこんな便利なものはないわけでして、あたしだってあれですからね、茹でたはいいものの、なにも付けるソースがないもんで、塩胡椒だけで食ったりしてましたからね。もうなんていうか絵的に哀しすぎるじゃないですかそんなものは。
だいたい、値上げ……つまりインフレーションには、原因別に分けると主に二種類ある、というのを昔、受験生だった頃に政治経済のテキストで読んだ記憶があります。
一つは「コストプッシュインフレ」というやつで、今現在起きているのがまさにコレです。読んで字のごとく、コストが嵩むために物の値段が上がる、というやつですね。現在は原油高に伴う輸送費とか原材料の高騰とか、そういうものに押されて物の値段が上がっているわけですから、まさにこの「コストプッシュインフレ」状態です。まあどことなく値上げしたものの中には便乗値上げの匂いがするものもありますが。
そしてもう一つが、「ディマンドプルインフレ」と云うやつで、ディマンド……つまり需要によって引き起こされるインフレです。わかりやすく云えばあれですよ、よく中古同人誌ショップのガラス棚の中に、有名作家のエロ同人誌が1万円とかで並んでるじゃないですか、あれですあれ。みんなが欲しいと思うから値段が上がるという循環です。
この「ディマンドプルインフレ」というのは主に景気のいいときに発生しやすいもので、まずみんなが「消費したい」というのがなければそもそも需要が発生しませんからね、これはまあ至極納得のいくところです。
もっとも、食料品などが不足気味の発展途上国などを中心に、これが原因で食料品が値上がりするともあるので一概にそうであるとは云えないのですが。
鑑みるに、80年代後半から90年代初頭にかけての、いわゆるバブル時代というのは、まさにこの「ディマンドプルインフレ」が横行していた時期であり、人々は値段の高いものを欲しがり、何千万円なんていう絵画や宝石がバカみたいに売れ、それがプレミアが付いてさらに高くなり、都市部や都市近郊を中心に土地はまるで天井知らずのように値段が上がっていきました。
そんなバブルも崩壊し、物の値段がデフレに向かいつつあったとき、我々に壮絶なディマンドプルインフレが襲い掛かることになるのです。
今でこそ若干落ち着き始めてはいますが、ちょっと前に「ギャルゲー」のムーブメントというのがありました。ギャルゲーというのは、まあこんな文章を読んでいる人には今更説明するようなことでもないと思いますけども、女の子が出てきてその子と恋愛を楽しむゲームでして、それこそもう右を見ても左を見てもギャルゲーギャルゲー、ゲーム情報誌はギャルゲーに席巻され、ギャルゲー専門誌が発刊され、PC-FXなどという最初からギャルゲー専用になるべく生まれたハードまで登場し、その影でセガサターンがギャルゲーとともに滅びていったり、とにかくギャルゲーの勢いたるや凄いものがあったのです。
そんな「ギャルゲー」のハシリとなったのが『ときめきメモリアル』という作品で、これはこれで色々とこう胸の奥が甘酸っぱくなる想い出がいっぱいあるのでそれはまあともかくとして、その後に出てきた雨後の筍の如く出てきた数多くのギャルゲーの数たるや、それはもう今におけるエロゲーのそれとたいして変わらないくらいのものでした。
そんな雨後の筍の一つに、『センチメンタル某』という、恐るべきゲームがありました。
絵が当時人気のあるタイプのものだった、というその一点突破で、発売前から大いに話題になり、ゲームはぜんぜん出ないのにグッズはどんどん出るという実に不思議な作品で、当時ギャルゲーバブルに踊っていた我々はそれに琵琶湖のブルーギルの如く釣られまくり、ただキャラクターが印刷されたものをラミネート加工しただけの「ラミカ」なるアイテムをアニメイトで500円とか出して買ったりしたものです。えげつないことこの上ない。
もはや本編のゲームがいつ出るのかなんてのがどうでもよくなりつつあった頃、ついにゲーム機で動くソフトが発売される!という情報が流れてきました。と云ってもこれがゲームではなく、今で云うところのファンディスクというかそんなようなあれで、CGが入ってたりするだけのものなんですけども、ゲームが出る前にファンディスクって何なんだと思うところではあるんですが、当時はそんな無茶苦茶も通ったんですね。まさにバブルです。
そのファンディスクはいわゆる「限定生産」というやつでさらに希少価値が煽られ、いざ発売されてみればどこを探しても手に入らず、中古屋を探してもそもそも中古に売る人がいないということで、買取価格はバブルの頃のフェラーリのように高騰していったのです。そして、定価三千円に満たない、特に中身があるでもないそのソフトが中古として店に出回るときは、値段にして二万円とかいうプライスが普通に付けられるという、まさにハイパーインフレが起きていました。指数にして10倍以上ですからね、とんでもない話です。
それだけディマンド(需要)が凄いことになっており、それに引っ張られる形で関連グッズのレア物は値段が上がり、まさにセンチメンタル某インフレがギャルゲー界に発生していたのです。
実に恐ろしいことではあるのですが、当時なぜかわたしは保存用を含めて二本買うことが出来ており、こんな奴がいるから余計に値段が上がるんだと今では思わずにはいられませんけどもそれはともかく、そんな高騰しているものを二つも所有しているというそういう満足感を得ていたわけです。ほんと捨てちゃえばいいのにそんな感情。
ところが、そんな商売がいつまでも続くわけもなく、さらに元来飽きっぽかったギャルゲーユーザの心を掴み続けるタイミングを間違えたというのもあってか、そのあまりにカネに満ちた仕掛けがユーザに見えてしまったのか、あるいはそのすべてなのか、この『センチメンタル某』のムーブメントはまるであるときを境に、アタリショックの如く潮が引くようにさーっと一気に引けていったのです。
肝心のゲームが出た頃にはすっかりブームは嘘のようになくなっており、さらにそのゲーム画面のCGとパッケージイラストがまったく違うというかそもそもキャラクターデザインの人さえ違うという今だったら暴動モノの内容で数少なく残っていたファンもドン引きだった上に、さらにはゲーム自体も実に微妙な出来で、自らトドメを刺しました。当然、一時期は三万円とも云われていたファンディスクの値段は大暴落し、普通に500円均一のワゴンの中に放り込まれたりしていたのです。そのワゴンの中のファンディスクと、さらにうちにある新品未開封のそのソフトを見るたびに、心の奥がなんだかチクチクするのでした。今検索したら99円で売っててもうなんか思い出と一緒に川に流したくなった。
つまり何が云いたいかというと、ムリなインフレには必ず終わりが来る、とそういうことですね。中古同人屋のガラスケースの中にあるハルヒのエロ同人誌を二万円で買って君は三年後後悔しないかい? パスタの値段が安くなりますように。
<近況報告>
> 怒涛の連続更新! 次は12月・・・?
そんなにあいたことは……あったかもしれないな。いいじゃないかそんな過去のことは。
> 更新ラッシュですね。ろうそくの最後、とかじゃないですよね?
> なんでこんなに更新が!? 無職になって暇になったとか?
> この早さはHP閉鎖の予兆と見た!
もしかしてあれか、君たちは更新を望んでないのか。更新するなというそういうあれか。
> 幼なじみとかじゃなくて、小さい頃一緒に戦ってくれたからビアンカなのですよ。うむ。
それを云われるとフローラ派は黙るしかないらしいぞ。いいからお嬢様ロングだ!としか云ってないけど。でもそれ云ったらDSのデボラなんかどうなるんだ! 存在意義皆無じゃないか!
> うわ。一週間空けただけでどかどか更新されてる。このペース続けてくれると嬉しいです。(無理?)
うん無理。死んじゃいますって。
> FF13って『聖府』が出てくるそうですね。我が国は『政腐』ですが。
誰が上手いことを云えと。しかし総裁選なんて出来レースやってる暇あったら経済政策なんとかしなさいよって感じだな。
> 金は運で買えても、運は金で買えませんね。缶運の自販機があればいいのに。
運に見放されてることで有名なあたし参上。でもそれだと結局金持ちばかりまた儲かるシステムになっちゃうと思うんだ。
> DHCのサプリメント最近はじめました、心なしか尿の色が濃くなった気がします
なぜそんなものを。美容とかそういうあれか。あとお得情報としてはサクロン飲むとうんこが緑になるよ。
> 私もこの季節が一番好きです。そろそろ秋桜が見れるでしょうか。/蝉時雨がうるさい位の夏の杜も良いです。蚊がちょっとあれですが。
いいねえ風流ですねえ。っていうか今年はあんまり蚊に合わなかったなあそういえば。夜中に格闘した記憶がない。あまり気象が変だと蚊も出てこなくなるのか。
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