とは云うものの、どうなんだろうなこれは。もう誰も見てないんじゃないかなあとこう思うわけですよ。
　いやね、忙しかったんですよ凄く。こんなに仕事に追われたの久しぶりじゃね？ってくらい仕事に追われてましてね、こういうのにとりかかってる時間ぜんぜんなかったわけ。
　とまあここまで云えば、長いことここを読んでいただいている方にはわかっていただけてると思いますけれども、はい、ネタはございません。ないです。あるわけがないじゃないですか。書こうと思えば書けますけれども、云っとくけどあれだぞ、ものすげえ愚痴だらけになるけどいいかそれでも。たぶん読んでもこれっぽっちも面白くねえぞ。
　ま、一段落もしたことですし、ほんとに一段落したのかどうかは微妙ですがたぶん一段落したと思いますし、いろいろ思ったこと書いておきましょうか。そうじゃないとこいつ彼女できたんじゃないかとか思われてもしゃくだしな。誰も思わないと思うけど。
　ただね、書きたいのはヤマヤマなんだけどネタはないわけですよ。これはもうどこをどうひっくり返してもネタはない。困ったもんです。どうしようと思ってたんですが、そうだせっかく皆様に送っていただいたWEB拍手があるじゃないかと。
　ってなもんで、いただいたコメントの中からテーマを決めさせていただきました。
> 就職活動がここまで厳しいとは…どうすればいいんでしょう
　これもう一人の方からも就職活動関係のコメントをいただいたんですけども、ちょっとデータが焼失してしまいまして。
　まあそうですね、そういう時期なんですねえと。実際、こういうコメントは結構多くいただきます。とりあえず就職浪人一年無職一年を経験したあたしに聞いて大丈夫なのかなあというのがないわけではないんですけど。一応あたしなりの考えみたいなのは書くけども、はっきり云って就職活動失敗しまくってたあたしの云うことだからあんまりずばっと信じるのは危険ですよと振っておこうかな。
　とりあえずですね、就職活動を概念的に理解するとすごく楽になります。
　就職活動は「なんかカッコイイことを云う」のが目的なんじゃなくて、自分自身のプレゼンなんだという自覚ですね。これはわたしも失敗していた大きな原因だと思うんでアレなんですが、自分をこの会社に入れるとどんなメリットがあるのかを説明するのが就職活動の目的であるということです。
　これを感覚的に自覚すると、書類とか面接とかの組み立てが一気に楽になるんですよ。いや、これはほんとに。だって、すべての言葉が、そのために向かう言葉であるという明確な内容が確立されるわけですから。
　たとえば「自己PR」という定番のアレがありますが、これは「PR」ですから、自己紹介をしても仕方がないわけですよ。PRしなきゃならないわけでして、「自分はこういうことをしてきたから、こういう風に役に立つ」というのを軸に据えるわけです。よくこの自己PRが苦手な人というのは、「自分をやたらと持ち上げるような感覚がすごく嫌」という人もいますが、厳密には「持ち上げる」わけじゃなくて、その商品（自分）が会社にとってどんなメリットがあるかを話す必要があるわけですね。
　例えば、「自分は体力があるから重い荷物をもっと早く運べる」というのをベースにすると、まず「自分は体力がある」ことをPRするための肉付けが必要になります。これを「学生時代のサークルで四年間野球をやっていた」からだと。で、その大会とかで優勝するくらいに活躍したのだと。これが「証明」になりますね。だから、「重い荷物がさらに効率的に運べる」から、「それがサービスの向上に繋がる」というメリットがあると。これを基本に、いくつかのトピックとメリットを絡ませていくと、なんとなく説得力のある「自己PR」が出来ます。
　会社組織というのは基本的に「モノを売る」のが目的になります。このとき、「この商品にはこういう能力がある。だからあなたにとってこんなメリットがある」というのは文法として基本です。別に客を相手にする仕事でなくても、会議などで自分の意見を云うときにもこの文法は基本ですから、この思考回路というのは結構役に立ったりもします。このとき、嘘はダメですが、１を１０に膨らますのはOKだというのも基本だと云うのも覚えておくといいかもしれません。
　新卒の場合は「志望動機」というのもよく聞かれると思いますが、これはその会社にどうして興味を持ったのかを素直に云えれば一番いいんじゃないかと思います。別にカッコイイことじゃなくてもよくて、「御社のこの製品がとてもよかった」でもいいんですよ。「この製品のおかげで自分はこんなにすばらしい体験をした。その体験を今度はみんなにしてもらいたい」とかっていう感じでしょうか。逆に、この志望動機に詰まるようなら、その会社を受けるのはやめたほうがいいのかも知れません。入ってもつらいだけです（云うまでもないことですが、これは中途の方には当てはまりません。中途の方の場合、そこに自分の業績を絡めていく必要がありますから、文法はさらに複雑になります）。
　さらに「この会社でやりたいこと」あたりが加わって、就職活動三大定番質問でしょうか。この三つは新卒ならだいたいどこでも聞かれますし、これは予め用意しておかないと苦戦します。
　この「やりたいこと」は目先のことを云うよりも、もっと大きなことを具体的に云うほうがいいみたいです。はっきり云って、ほとんどの会社は新卒にそんな戦略を求めてはいません。だから、技術的にそれができるかどうかというのはとりあえず別にして、こんな商品があればいいと思ってて、それができればこの会社にはこんなメリットがあるんです、というのをアピールする感じですね。このとき、「自分はこんな体験をしてこれが不便だった。だからこんなサービスが」と続けるのがよいでしょう。可能なら、「自分はこんなことをしてきたので、こんなことができるんです。だからこんなサービスが〜」というのを入れられればもっとよいでしょう。
　……と云ったところで気付かれたと思うんですが、基本的に面接の質問に対しては、「自分はこういう経験をした。だから〜」という文法で返すのがいいのではないかとこう思います。なぜって、これってそれだけで説得力が出るんですよ。
　会社に入って会議でほかの人を説得したり、商品を客に売ったりするとき、その商品がどんな風に優れているかを口先だけで云っても説得力はありません。「この車はすごく早いんですよ」って云うよりも、「この車は300馬力もありますからすごく早いんですよ」って云ったほうが説得力があります。商品のデータを出してきて、それを根拠に客を説得するわけですね。より具体的に具体的にしていくことで、はじめてその商品がいかに優れているかが伝わるわけです。
　就職活動も一つの商品の売り込みであるというのは先に述べました。ここで云う「商品」とは自分であり、「客」は会社です。「自分はこんなに優れてるんです」というのをアピールしても、そこに具体的な説得力がないとどうにもなりません。ただ、人間である「自分」に数値で推し量れるデータはありませんし、新卒の場合は過去の実績もありませんから、ここで具体性を持たせるデータは「経験」なわけです。「英語が得意です」って云うよりも、「アメリカにホームステイしていたので英語が得意です」って云ったほうが説得力が出るのは云うまでもありません。
　あとね、「ありきたりなことは云ったり書いたりしないほうがいい」というのもよく云われますが、これは考えようですね。趣味は読書とか音楽鑑賞とかはやめるべき、なんて書いてある本もありますが、別にほんとに本とか音楽鑑賞とかが好きならそう書けばいいんじゃないかと思います。その代わり、面接中に「趣味はなんですか」「読書です」で終わらせるのは勿体無いです。そこから話題を広げて、こんなジャンルの本が好きで、このジャンルについてはここまで詳しく読んでます、とまで行けばアピールになるわけですから。会社にもよりますが、逆にあんまりぶっ飛んだことを書くよりもそういうほうがいいんじゃないかとは思いますけどね。
　ということで、まずは自己分析からはじめてみるといいんじゃないかと思います。自分がどういう人間なのか、何がやりたいのかを冷静に考えてみることですね。そうするとどこを受ければいいのかとかいろいろ見えてきますから。逆に、「自分はコレしかやりたくない！」って一つの業種だけにこだわりつづけるのはやめたほうがいいと思います。あたしはそれで失敗したから間違いない。将来的にその仕事に関われることも考えた上できろいろ回ってみるといいでしょう。説明会に行ってみたら意外と魅力が見えてくる場合も多いです。
　最後に、なんだかんだでいろいろ新卒のときは就職の本とか読みましたけど、一番納得できたのはこれでした。「いいひと。」（高橋しん）の13巻。これ確か前にも薦めた記憶ありますけど、就職活動で悩んでる人にはお勧めです。この「いいひと。」は作品自体すっごい好きな作品なんでどうせならまとめてお勧めなんですけど、この13巻だけならどうせブックオフとかで100円の棚に入ってるでしょうし、就職活動中の方はちょっと読んでいただけると嬉しいなと。漫画なので肩肘張らず読めますが、下手に「面接のなんとか」みたいな就職本読むよりよっぽどためになりますよマジで。「面接は自分を売り込む場」なんてのはこの本から貰った言葉ですし。

　……しかしあれだな、どうせしばらくネタがない状態続くんだからさ、こんな感じでWEB拍手でテーマを募集してみましょうか。ここに高御に何かこうこれについて書け、みたいなのがあればそれで書きますよと。ああもうどんどん他力本願に。いや、もうちょっとマメに更新せにゃならんさっていうのはわかってるわけですよこれ。
　とか云ってて誰も何もなかったらものすげえ寂しいけど。