凌辱学園 -部活調教恥獄責め-(凌辱堂)

項目シナリオシステム音楽総合
ポイント1+3+3+
シナリオ:硝子丸/神代流/正村誠治
原画:ぶるマほげろー
音声:一部
主題歌:有(オープニング:『やがて、それは炎のように』/エンディング:『泣きべそ注意報』)

<シナリオ>
 とある有名な学園に、「VIPの秘書を育てる」目的でやってきた主人公。もちろんただの秘書ではなく性的な奉仕などを行う秘書で、名の知れた調教師である主人公はその能力を校長に買われてやってきたのだった。その中で彼は三人の女子学生に目をつけて……。なんて話なんですけども、実際のところお話なんてあってないようなもんです。あとはこの三人と、もう一人主人公の手伝いとしてあてがわれる女の先生を凌辱するだけ。エンディングまで行ってもなにがあるでもなく、最初から最後まで淡々と話が流れていって終わります。話に期待している、なんて人はこんな作品買わないでしょうから、まあこのへんはよくてですね。
 一応、この作品の売りは、「部活をテーマに調教する」というものになるでしょう。たとえば「書道部」なら肛門に筆を突っ込まれて文字を書かされたり(そういえば「女郎蜘蛛」でも似たようなのありましたね)、「将棋部」なら勝負に負けるごとに服を脱いでいく脱衣将棋を強要されたり、「テニス部」なら指導と称して体中触られてみたりそういうあれですね。なるほど直接的な表現にしなかったというのはこれは面白いんですが、でも、いくらなんでも部活設定が突飛過ぎ。たとえば野球部とか弓道部とか、そういう多くの学校にもある身近な部活をテーマにするからこういうのって興奮したりするんであって、そこにそりゃないだろって部活を勝手に作っちゃったら、それはもう根本的なテーマそのものの崩壊なんじゃないかと思うんですよ。座禅部、農業部、リンボーダンス部、漢方研究会、玉入れ部、メイド部……って、そんな普通にありえないものを勝手に作るんだったら部活調教をテーマにする必要なんてまったくないじゃんかと。メイド部なんてメイド服とか着せるといいよねってな目的で作られたんだろうし、漢方研究会なんてのも薬系の調教をやるために作られたんだろうなあってのが伝わってくるわけですね。バリエーションがないなら工夫して増やすってのではなく、そんな安易な手段でネタだけ増やそうってのは、いくらなんでもそりゃないよってなもんでしょう。こういう「ありえない部活」が一つ二つならまだしも、たくさんある時点でコンセプトとしては終わってると云わざるをえません。普段なにやってんだよメイド部って。
 さらにテキスト。これがもうね、なんというか。もし調教ゲームとかそういうあれが好きな人がこれで満足するんだと思われているのであれば、それはもう相当ナメられてるとしか思えません。文章の使いまわしが多く、なんだかもう何度も同じ文章を見せられるとかそういうのもどうかと思うんですがそれはすごく譲歩して置いておくとしても、それまでものすごく恥ずかしがってたりしてた女の子が即積極的になってみたりとかやっぱりなんかどこかおかしいです。そりゃまあ、おとなしい女の子が実は淫乱でしたパターンって、一種の定番としてはアリなんだろうけど、これって明らかにそういうのじゃなくて、なんかこうそういうのを説明するのが面倒くさくなってるだけって印象。だから、エッチになったって表現もやたらと卑猥な言葉を連呼するだけという、なんかこう旧世代のエロビデオを見ているような錯覚さえ覚えます。しかもそれが妙に状況説明的で、女の子が椅子に縛られていたずらされている時に、「ベルトで縛られてるから動けないよう」なんて云ったりします。ほんとにそんな状況のとき、そんな台詞が出てくるかどうかってわかるんじゃないのかとそのへんから突込みどころ満載。とりあえず、隠語とか卑猥な言葉とかを連呼させればそれでエロいってもんじゃないんだぞと。とりあえずもう、この作品についてはシナリオや文章に触れるのはちと無理があるかなとそんな気はするな。

<CG>
 これはね、悪くない。立ちキャラは三人ともかわいらしかったりしますし、実は絵だけ見ればなかなかいい感じではあると思います。特に表情が魅力的なのはまゆ。まゆは一枚絵も立ち絵でもなかなかいい感じで、なんかこうホホを赤らめてる様子とか妙にどきどきします。背景とかそのへんはまあそれなりですけども、この手のゲームでそんなこと気にしても仕方がないんでそのへんは別にいいでしょう。枚数も、一つの部活につき一枚が基本なんですが、部活や放課後調教の種類が多いので結果として枚数はそれなりにあります。CG集としてならなかなか価値があるかもしれません。

<システム>
 いちおう「調教ゲーム」なんですけども、パラメータは実質的に「性技」「羞恥」「奉仕」の三つに「体力」「精神力」「従順度」を足した六つしかなく、マニュアルにはこのへんの数値によっていろいろ補正がかかりますみたいなことを書いてあったりもするんですが、はっきり云ってそのへんはオール無視でぜんぜん問題なし。狙った女の子をひたすら調教していけば勝手に全部上がっていきます。シミュレーション要素や考える要素皆無。ま、このへんあんまり難しくしすぎても、いわゆる「抜きゲー」としての役割を果たせなくなってしまいますからそれはいいです。調教内容はそれぞれ「部活」によってパターンがいろいろあるというのは上にも書いたとおりなんですけども、これも難しく考えることはなく、見たいのを選んでいけばそれだけで勝手に進んでいきますから気楽なものです。
 大きなバグはなかったんですが、うちの環境だとなぜかものすごく頻繁に音飛びが発生するのはどうにかなんないもんなんでしょうか。

<音楽>
 印象薄ではあるんですが、なんかもう全体的にものすごく謎。なんでタイトル画面で妙にポップな感じの唄が流れているのかと(ムービーで流れるとかじゃなくて、タイトルのバックミュージックで流れているんですね)。なんで陵辱シーンの曲が意味もなく明るいんだと。まったく一貫していないコンセプトはある種感動すら覚えるかもしれません。歌を歌ってる人もこの使い方を見たらげんなりするんじゃないでしょうか。エンディングテーマは実は結構悪くない曲なんですが、内容が内容なんであえて聞きたいとも思わず。
 声は一応女性はフルボイス。割と巧いんですが、台詞がこれっぽっちも魅力的でないのでいくら声優さんの演技がよかろうともがっかりすること請け合いです。なんだこれ。

<総合>
 これ、なんで買ったのかと云うとですね、すごく安く売ってたからなんですよ。いわゆるワゴンセールってやつです。それはまあよくあることなんですけども、特筆すべきはこれが発売わずか二週間後に1280円という捨て鉢な値段だったということです。新品未開風中古とかじゃないですよ。完全な新品が、です。普通、ちょっと考えられませんよね発売後二週間でこの値段って。しかも「陵辱堂」というそのまんまかいみたいな名前のブランドといい、こいつは何かあるなと思ったわけです。ま、終わってみればなんと云うか実に値段相応だったなと。なんかこう思うんですけど、別にエロゲーを作る人がね、エロゲーを愛している必要はないと思うんです。深すぎる愛は鎖にしかならないと云いますがまさにそれで、愛しすぎているが故にちょっとどうなんだろうなあみたいな作品に仕上がってしまうことだってままあるわけですから。ですが、まったく愛がないというか、作ることにあまりにもこだわりがなさ過ぎるのはどうかなあと思うんですよ。別にストーリーで泣かせろとか云ってるんじゃないです。たとえ陵辱ゲームであっても、陵辱ゲーム好きがやったらもうたまんない作品にしてやるぜみたいなこだわりって、特に商業ゲームである以上は必要なんだと思うわけですね。この作品、そういうのがまったくない。あるのかもしれないけど、感じられない。これね、定価とかで買っちゃった人は怒ると思うよ。陵辱ゲームってこういう二極分化がすごく激しいゲームなんだとは思うんだけど、作ってる人はこれで満足したんだろうかとそういう疑問がすごくあるんですよね。これで面白いゲームになったなと思ったのかと。品のない云い方をすれば、これで陵辱ゲームファンが「抜ける」作品になったと思ったのかと。こういう疑問はすごくある。
 とりあえずキャラクタは可愛いんで、絵が気に入った人でなおかつ安く売ってるのを見かけたら買うのも悪くないかな、くらいのもので、はっきり云って積極的に薦められる要素ってあんまりないです。陵辱ゲームが好きだけどこれを買うかどうか迷ってる、くらいの人なら、残念ながらおすすめはしません。

2005/04/28

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