mi・da・ra (Mink)

項目シナリオシステム音楽総合
ポイント3+4−2−
シナリオ:
原画:
音声:
主題歌:

-キャラクターの書き方ここにあり-

 現実そっくりの夢を見させるビデオがテーマ。それがゆえに、現代や大正、明治などといったさまざまな時代を舞台に物語が繰り広げられます。シナリオが云々よりもどちらかといえばエッチ重視ですが、シナリオも決しておろそかにされていないところが魅せてくれます。
 何より、ヒロインキャラの優美の凶悪な可愛さがキモでしょう、この作品は。もうなんだか仕草の一つ一つをとってもとにかくかわいいんですよ。別におにいちゃんキャラだとかロリっこだとかそういうあれを差し置いて、キャラクターそのものにものすごい魅力があります。この魅力を書き出しているところがこのシナリオの凄いところだと個人的には思います。
 で、それをサポートするシステムなんですが。こちらはどうもいまいちうまくありません。目立つ新システムとして、一つ目にマウスをぐりぐり動かして女の子の服を脱がせたりおっぱいを揉んだりできるというのがあるんですが、これは慣れてくると逆にうっとおしいかもしれません。なかなか面白いんですが、それに対する反応がワンパターンなのが惜しいところです。
 もう一つの目新しいシステムとして、二つの感情を一つのシーンで同時に出す、というものがあります。これ、わかりにくいので詳しく説明すると、この物語はビデオを見ている人(仮に優美としましょう)と、そのビデオに出ている自分(仮に大正時代の優美としましょう)の二つの感情が同時に存在していることになります。この大正時代の優美は確かに優美自身ですが、ビデオを見ている優美の意思とはまったく無関係に動きますので、ビデオに登場する優美はエッチなことで気持ちが良いんだけど、なんで自分があんなエッチなことをしているのか、というのを驚きを以って見ている優美というのがいて、この感情の対比が作品の一つのキモになっているわけです。で、これは一つのシーンで同時に説明しなければなりませんので、一つのシーンに対して二つのテキストが同時に表示されるわけですが、これがそのせいで非常にわかりにくいのです。どっちを読んでいるのか、どっちを読んだらいいのかがごちゃごちゃになってしまい、結局焦点がぼやけてしまうのですね。これはもうやりたかったシステムそのものが抱えている根本的な問題なので仕方ないのかもしれませんが。
 とりあえず、なにはなくとも、優美の殺人的な可愛さだけでも見ておく価値がある作品です。よろしければ、是非。

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