ぱにっく!けろけろ王国(ぱじゃまソフト)
項目 | シナリオ | 絵 | システム | 音楽 | 総合 |
ポイント | 2 | 4 | 3− | 3+ | 6 |
シナリオ:
原画:
音声:
主題歌:
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<シナリオ>
いちおう、冒険者である主人公が「かえる」が空から降ってきて困っている王国にやってきて云々というストーリーはありますが、はっきり云ってあってもなくてもどちらでもいいもんでしょう。脱衣麻雀のシナリオ程度のものと考えてもらっていいと思います。
脱衣麻雀やクイズゲームなんていう、ストーリーが別のところにある作品によくあるように、これもキャラクターとの対戦になる経緯もなんだか強引極まりないし、ストーリー自体もまあそうですかという感じなので特に見るべきところはありません。
主人公はなんの工夫も無い頭の中までエッチのことしか考えていないような単純明快なヤツで、勝ったら特に理由も無くエッチに持ち込みますし、終わった後も別に無理やり犯されちゃったことを気に病むどころか逆に大喜びしてしまったりするのでもうどうすればよいやらという感じはします。
キャラクターも実に20人以上登場しますが、あまり個性がないので知っている原画家さん以外の人は記憶に残りづらいです。台詞回しなんかは結構巧いので勿体無い気はしますが。
ま、CTRLキーで全力でスキップしてもなにも困ることはありません。こういう脱衣麻雀とかパズルとか、やっぱりストーリーというのは適当でもいいという不文律でもあるんでしょうかねえ。
反面、エッチシーンは結構ねちっこいです。パズルゲームのご褒美としてはまあ十分満足のできるものだと思います。
<CG>
なんせ担当原画家総勢20人以上! しかもそういう方面にはとんと疎いわたしでも知っているような有名な人も何人かいますので、これだけいれば一人二人はお気に入りの女の子が見つかるでしょう。
「シナリオ」のところでも書きましたが、性格の上では女の子たちにあまり個性はないし基本的には犯り捨てでシナリオ上では名前すら記憶に残りませんので、素直に外見で好みのタイプを決めてしまったほうが得は得でしょう。
パズルシーンのちびキャラは絶妙に可愛いし、なにより普通のアドベンチャーシーンでも若干ですがアニメーションするので、絵に関しては文句はありません。これは反対にお気に入りでない原画家さんのキャラクターに当たってしまうとキツイということにもなるわけですが……ま、これを云い始めるとキリがありませんわな。
<システム>
さて、この作品においてはここが見せ所です。なんせパズルですから、パズル部分がダメだともうどうにもなりません。
基本的なルールは、空から4色色違いの「かえる」が降ってきて、同じ色のかえるを4匹くっつければかえるは消えます。
それによってゲージが溜まり、必殺技レベルが1から3まで変化。それに応じた必殺技を使うことができ、相手のフィールドにさらに多くのかえるを降らせたり、自分のフィールドからかえるを消したりすることができます。どちらかが基準線を越えるまでかえるを積み上げてしまったら負けになります。
操作方法は至って簡単。キーボードのカーソルキーだけしか使いません。
左右で下の台が回転し、かえるを積む場所を調整します。カーソルキー上が攻撃系必殺技使用、下が防御系必殺技使用。これだけです。操作性は文句なしの手軽さと云えましょう。キーボードというゲームには不向きなコントロールデバイスを使わせる上で、これはポイントが高いところです。
ですが、肝心のゲーム自体がどうも戦略性に欠けます。
他のオチモノ系パズルゲームのように、多重に連鎖を組めば組むほどゲージの溜まり方が早くなって有利になります。この「連鎖を作る」作業がパズルゲームにおいての快感になってくるんだと思うのですが、これがシステムの上で非常にやりづらいんですね。
かえるが地面につくと大きく4回ジャンプしてから位置が固定されることと、かえるの真上にかえるを積むと勝手に半分左にずれてしまうこと、この二つが連鎖を作る自由度を著しく阻害するのです。
まず「跳ねる」ことの弊害は、ゲーム時間が経ってきてかえるの落ちる速度が速くなったときです。一つ目のかえるの位置が確定されていないときに次のかえるが降ってきますので、どちらかのかえるを定めた位置に置こうとして台を回転させると、どちらかのかえるは必ず思わぬ方向に固定されてしまいます。
しかもこの「スピードが早くなる」のがあまりに急に起こるのでさらにタチが悪いです。
そしてもうひとつの「斜めの位置に勝手にずらされる」ことに関しては、フィールドの狭さが災いします。
真上に詰めずに勝手に半分ずれるということは、すぐにフィールドが横方向に使えなくなってしまうことに他なりません。つまり、横方向に連鎖の仕掛けを伸ばすことができないのです。
しかも、これによって上に詰まれていたかえるが落ちてこないことも多々あり、特にある程度かえるが詰まれた状態でスピードが速くなると縦方向にも連鎖の仕掛けを伸ばせなくなりますから、連鎖を作るのは至難の技です。
これにより、結局ひとつずつ消していってレベル1の必殺技を連続で送り込むというあまり面白くない展開で勝つことになってしまいます。
もちろんこれは、慣れとかパズルゲームそのものの適応力とかそういうものがあるということはわかっています。わかっていますが、やっぱりオチモノ系パズルゲームとして戦略性を封じられてしまっているような気がしてしまうのです。
ただ、この決められたルールの中でそれでも連鎖を作っていくのが面白いんじゃないかと云われればこれはもうまったくその通り。単純にわたしには合わなかったとそういう結論に過ぎないのかもしれません。
<音楽>
劇中曲はあまり印象に残っていませんが、はっちゃけたオープニング曲は必聴。バカな歌ってのともちょっと違います。なんだか聴いていて楽しくなってしまう曲ですね。インパクトの絶大さはなかなかのものです。わたしがこの作品を手に取るきっかけになったのも、デモで見たこの曲だったりしますし。
声はみんな巧いです。みんな一人で何役かこなしているようですが、あまりそれは感じません。エッチシーンはもちろん、通常のシーンにおいても声におけるテンションのコントロールもちゃんと演出されていますし、キャラクターの魅力を素直に押し出すのに一役買っているのは間違いありません。
<総合>
まあ、遊べるゲームにしようという志は伝わってきます。
実際、なんだかんだ云っててもパズルパートは結構それなりには面白いので、慣れるまで徹底的にやりこめばハマれる作品かもしれません。
いったんポイントを通過すれば、その通過したポイントならどこからでも始められるシステムは、お気に入りの女の子と簡単に対戦できて非常に便利です。
なんだけど、例えば昔、はじめて『ぷよぷよ』をやったときのような面白さはありません。
やっぱり、それは操作に対しての融通の利かなさが一番大きいと思うんですよ。連鎖を作る仕掛けを積極的に阻むようなシステムがどうも根幹にあって、これが今ひとついただけないんですね。
『ぷよぷよ』にしても『ぱずるだま』にしても、少なくとも仕掛けを作る上での難しさはあっても、それが操作や根本システムの上で阻害されはしませんでした。だからこそ、仕掛けの組み方を考える楽しさがあったわけですが、この作品ではそれが頭の中で描かれても、こちらのサイドではどうにもならないシステムにそれを阻まれてしまいます。
戦略性というよりも、ゲームを楽しむ上での快感性とでも云いましょうか、そういうものが絶対的に不足しているような印象を受けてしまいました。
とりあえずこの作品、絵描きさんの中にお気に入りの人がいたりするのなら損はしないと思います。あとはもう、このパズルが楽しめるかどうかはほんとに個人差。難しいところです。
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