ホンダ CB1300SF(SC54)

 大型二輪を買おうと決めて、各社ネイキッドの中から選んだのがコレ。2006年式のSC54型CB1300SFです。購入まではこちら
 ZRX1200DAEG、XJR1300、Bandit1250とCB13000SFがラインナップでしたが、プレーンなネイキッドが好きなのでハーフカウルを装着するZRXとBanditが外れ、空冷というシステムを個人的に信用していないことからXJRが外れ、CBが残ったのはある意味必然だった気がします。
 教習所を卒業してから半年以上経っていましたし、最初の大型がこんなでかいのでいいのか、という疑問もありましたし、納車の日に店で受け取って乗り出した時にはほんとにおっかなびっくりでしたが、慣れてくると重いはずなのに乗りやすいことに気づかされました。
 どうせ立ちゴケするだろうし中古車からで、ということで買った中古車ですが、走行距離は2000キロ程度ですから慣らしがちょうど終わったかなくらいのもんです。
 マフラーからなにから完全にノーマルなので、走りだすと思い出深い教習車のような音がしますが、特に不満もないので変えるつもりもありません。軽量化できるなら変えてもいいかなとは思いますが、性能的にはこれで充分すぎます。
 納車の日、高速道路・山道を250キロくらい走ってきましたが、高速走行はやっぱり楽です。寒かったのでアクセルはあまり開けず走りましたが、時速90〜100キロでだいたい5速3000回転ですからまだまだ余裕があり、ここから開ければさらに怒涛の加速を味わえます。
 規制のなごりで馬力は100馬力ですから(2009年モデルから101馬力になりました)、そのへんのリッタークラススーパースポーツに比べれば圧倒的にパワーはありませんが、普通に使うには十分すぎるほどでしょう。パワー特性がトルクに振ってある分運転はしやすいです。高速走行時も変な振動もありません。
 個人的にはもうちょっとアップハンドルなほうが楽かな、という気がしますが、それも慣れの問題でしょう。はじめての走行では緊張と寒さでむちゃくちゃ肩が凝りました。
 もちろんネイキッドなので高速走行時に風はモロに来ますから、高速走行がメインで格好が気に入ればスーパーフォアよりもスーパーボルドールのほうがいいと思います。まあ、それならばフルカウルのVFRとかのほうがいいような気もしますが。
 いちおうこの車両にはオプションなのか社外品なのかわかりませんがハーフカウルがついていたので、これを付けるとまた違うのかもしれません。
 ただ、高速道路では、5速でも微妙にエンジンブレーキが効きます。5速80キロくらいで走っているところで少しアクセルを戻しただけで、すーっと引っ張られるようにスピードが落ちます。
 この車体固有の癖なのかはわかりませんが、トップギアではエンジンブレーキはもうちょっとルーズなほうが運転はしやすい気がしました。FIだとアクセルオフで燃料がカットされるので、それの影響なのかもしれません。
 山道に持っていっても非常に気持ちがいいです。止まるとそれなりに重さを感じるものの、走り出してしまえばウソのように軽いので、運転していて楽しいのですよ。ヒザを摺るとかそんな技術はこれっぽっちもないので普通に乗ってるだけですが、それでも楽しさは味わえます。小排気量のエンジンをぶん回して走るのとはまた違う、クルージングの楽しみですね。
 街中では、さっさと5速に放り込んでしまえばほとんどオートマチック車状態です。トルクが太いので普通の速度域なら4速・5速だけでカバーできますから、街中を流すのは想像以上に楽です。
 渋滞に入ると、ちょっとクラッチが重いかな?という感じ。頻繁に止まったり動いたりを繰り返すと、半クラッチを作る左手が痺れてきます。トルクがあるのでゆっくり進むのは半クラッチだけでいけるんでいいんですけどね。また、止まってるときには車両そのものの重量はあるので、バランスを崩すと一気に立ちゴケしそうです。
 すり抜けは一応ハンドル幅で抜けられれば問題なくできますが、右側にマフラーがあって、ハンドルの左端とマフラーの左端がほぼ同じなので、ここには若干注意がいるかもしれません。まあ、やらないに越したことはないですね。
 CBはタンクが大きく、21リットルのガソリンが入る上、レギュラーガソリンでいいのもありがたいところです。満タンの状態から250キロを走ってきて、まだ残量計で2目盛残っていましたから、まだまだ余裕がありそうです。

 最大にして最高の特徴は、とにかく「乗りやすい」ことでしょう。
 確かに重いですし、足つき性はそれほどよくありません。わたしは身体がちっちゃいので余計にです。押しての取り回しはそれなりにきついです。
 ですが、それさえなんとかなれば、意外なほどに乗りやすいのですよ。
 たとえば、低速でまっすぐ走る、いわゆる教習所での「一本橋」状況では、トルクに勝るぶんだけ教習車のCB750よりもやりやすいくらいですし、出力の出方もマイルドなので、街中でも高速道路でも、走り出せばものすごく安定して走れてしまいます。乗ってしまうと不思議なくらい軽いんです。信号で止まっても、足つき性の悪さもそんなに気になりません。
 のろのろ進んで止まって、というような渋滞ではクラッチの重さがこたえることがありますが、それくらいのものでしょう。
 あまりやりませんが、フュージョンでいける幅があればすり抜けも余裕でできますし、意外と小回りもききます。
 400ccと同様に、とまでは云いませんが、それに限りなく近い感覚で取りまわせるのはやっぱり大きいです。乗る前はほんとに乗れるのかと不安だけでしたが、乗って走って10分後には「乗りやすいなあ!」と感じるくらいですから。
 売れてるのもむべなるかなという感じですね。

<半年経って+車検>(2010/6/10)
 車検残が半年の中古車だったので、車検に出してきました。ドリーム店で法定費用込みで5万円ちょっと。交換部品など一切なしです。まあ、そんなに距離も乗ってませんしね。
 さてさて、半年(と1か月)乗ってみて、いろいろと改めて気付かされました。
 まず上にも書いたとおり、圧倒的に乗りやすいです。クセがなく、ほんとに素直。はじめてのビッグバイクに迷っているのなら、慣れるまではコレは本当にお勧めです。
 もちろんあまりに癖がないので、もうちょっと変な刺激が欲しいという方には向きませんが、素直さ・乗りやすさを考えればこんなにいいバイクはそうそうないでしょう。
 そこでちょっと、乗ってて見えてきた良いところ、悪いところを簡単にまとめてみます。
◆良いところ
○なんといっても癖のないエンジン。乗りやすいけど、いざというときには車を置き去りにできる余裕のパワーを誇る、過激にも普通にも使えるエンジンです。
○航続距離の長さ。タンク容量が大きく、パワーがある分だけエンジンを回さないで済み、結果として一度の給油での航続距離が延びますので、時間のロスがなくなります。また、何気にレギュラーガソリンでいいのも助かるところでしょうね。
○収納スペースの多さ。CB1300SFは、ネイキッドの割にはシート下の収納が大きく、かなりのモノが入ります。わたしはリアボックスをつけてしまっていますが、それほど大きくないものならボックスなしでもいけるでしょう。
○足つきのよさ。意外に思われるかもしれませんが、足つきはいいです。わたしは男性としては決して身長の高いほうではありませんが、信号などでの停止時もつま先立ちになるようなことはなく、安定して立っていられます。
○思ったよりもコンパクト。特に横幅は想像以上にコンパクトで、すり抜けなんかもするするとできてしまいます。ステップの位置が高いので、縁石をあんまり気にせずにすりぬけられるのも大きいと思います。ただ、長さはそれなりにありますので、停める場所には気を使います。
○静かなエンジン音。バイク=うるさい、という構図はこのバイクには当てはまりません。ノーマルマフラーはほんとに静かです。夜中に動かしても、車のエンジン音とたいして変わりませんので、そんなに極端に気を使って……ということをしなくて済みます。

◆悪いところ ○重さ。リッターネイキッドなので仕方がないのですが、降りて押したりする状況や、駐輪場に頭から突っ込んだ状態から引っ張り出す作業はやっぱり結構辛いです。気を付けないと倒してしまいそうです(実際一度倒しました。砂の上だったので傷は付きませんでしたが)。そして倒すと、起こすのはほんとに大変です。
○不自然なエンジンブレーキ。上にもちょっと書いていますが、高速道路を5速100キロくらいで走っているとき、ちょっとアクセルを戻すと、すーっと必要以上にエンジンブレーキがかかります。これはいつまで経っても慣れません。5速ギアなんだからもうちょっとエンジンブレーキはダルなほうが使いやすい気がします。
○癖がなさすぎるところ。贅沢な話ですが、このバイクならではの「味」みたいなものは薄いかもしれません。乗りやすさの裏返しですね。
○風の影響を受けやすいこと。ネイキッドの宿命として、前からの風に極端に弱いです。実際、140キロを超えたあたりで風がものすごく、ちょっと体を浮かせると後ろに身体ごと持って行かれるような感じがしてかなりスリリングです。エンジンはまだまだ余裕があるのですが、このへんが実質的に出せるスピードの限界でしょうね。また、車体が大きいだけに横風の影響も地味に受けやすいので、風が強い日のトンネルの合間などは注意が要ります。
○シートが合わない?のか、短距離ならいいのですが、ずっと走り続けているとお尻が痛くなってきます。わたしの体にはちょっと大きすぎるのかもしれませんね。シート自体は滑らずに安定していていいシートなのですが。

◆よくもなく、悪くもなくなところ
○目立ちます。いや、別に常に注目を浴びるようなことではなく、駐輪場に停めてしばらくバイクを離れて戻ってみると、よくじろじろとバイクを見ている年配の方がいる、という状況に何度もあっています。やっぱり大きく見えるんで、バイクが好きな人には気になるんでしょうね(実際大きいんですが)。決して悪い気分ではないものの、一人にしといてよ!という気持ちもあるわけでして、これはよくもなく悪くもなくでしょうか。
○ベストセラー車なこともあり、高速道路のSAなどでは同じ車種が並ぶこともしばしば。嬉しくもありなんか悔しくもありという気分になるんですよねえ。

 前から。ヘッドライトは高効率型で、夜中でも明るいです。カウルがないので風のある高速道路ではちょっと苦労しますが、法定速度プラスアルファくらいで走る分にはそれほど大変だというほどでもありません。タンクが大きいので大きく見えますが、実は結構スリムで、大型のスクータが入っていけるようなところならば入り込めます。
 色は「アイアンネイルシルバー」という色で、濃い銀色にタンクに黒ラインが入ってる感じ。赤白がほとんどを占めるCB1300の中では珍しい色です……が、たぶんあんまり人気はなかったんでしょうね、きっと。。
 どちらかと云えばトラディショナルなフロントデザインに対して、リアは結構挑戦的。大きく内側に切りこまれたテールライトが特徴的です。
 もうちょっと普通でもいいような気はしますが、まあ、これがいまどきのデザインなんでしょう。そのデザインのシャープさに対してどうしてもトップボックスがアンバランスですが、ツーリングで使うにはコレはどうしても外せないのですよ。
 2003年モデルからフューエルインジェクション化された1300ccのエンジンです。燃費・振動・音・フィーリングともにきわめて優秀。かつて存在した自主規制値いっぱいの100馬力というのは、リッターバイクとしてはちょっと控えめですが、普通に乗るには充分。そのぶんトルクに振ってあるので、ちょっと開ければ鬼のような加速が楽しめます。
 癖のない乗り味なので、大型初心者でもとっつきやすいのが何よりの特徴。云ってしまえば平凡で、バイクに強烈な個性を求める人にはちょっと物足りないのかもしれませんが、街乗りからロングツーリングまで万能にこなせますし、わたしのような大型初心者が乗ってもすぐに馴染める懐の深さは大きな魅力です。
 シート下ボックスとETCユニット。カギのかかるシート下収納はこの手のバイクとしては異例なほど広く、ABSユニットのせいで若干狭くなっているにも関わらず、書類や車載工具はもちろん、350mmペットボトルくらいなら軽く入ってしまいます。
 ETCは日本無線の「JRM-11」という機種で、アンテナはメーターにあります。カードがやや入れづらいのが欠点ですが、一体型ではどうしてもスマートさに欠けるのと、いかにもETCついてます!というのが防犯的にどうなのかというところもあるので、これはこれで、でしょうか。
 ETCそのものはほんとに便利。車以上に恩恵は大きいです。割引もですが、グローブを脱いでお金を出して、という作業から解放されるというのはかなりストレスフリーです。
 タンク容量は21リットル。かなり大容量です。燃費は普通に高速道路を走るだけなら20キロくらいは行くので、そのペースならば一度の給油で400キロは走れる計算になります。
 ただ、当然満タンにすればこの位置に20キログラム近い重りを載せたのと同じになるわけですから、市街地を走るときにはあえて満タンにしないほうがいいかもしれません。ZRXやXJRがハイオク仕様なのに対し、こちらはレギュラーでいいのも助かります。
 タイヤはキャブ時代のCB1300に比べると少し細くなったとのことですが、それでも充分に太い感じがします。ランニングコスト中でもっとも高価なのがこのタイヤで、銘柄にもよりますが前後交換でだいたい5万円くらいするとか。軽自動車のタイヤ4本の交換とたいして変わりません。だいたい10000キロごとに交換、というのもダイナミックです。車なら3万キロくらいは持つのに。
 まあ、加速は後輪だけですし、減速時はフロントに力がかかるわけですから、当然と云えば当然なのかもしれませんが。
 ノーマルマフラーです。銀一色のシンプルさは、いかにも「ノーマルです!」という感じですが、とにかく音が静かです。そのぶん若干パワーと重量は犠牲になっているのでしょうけれども、それこそモンキーのように「こりゃ遅くて辛抱たまらない!」というほどではないので、今のところ変えるつもりはありません。
 まあ、たとえ10馬力アップするとしても、それで音がうるさくなったらちょっと乗りづらいですしね。馬力はそのままでいいから、音が同じくらい静かで10キロくらい軽くなるとかならば変えてもいいかなという気がしますが。
 この車両、ABSがついていました。最初は必要ないかなとも思ったんですが、よくよく考えれば、車と違ってブレーキがロックしたら即転倒→大怪我のリスクがあるわけで、ある意味ではこれはETC同様車以上にバイクにこそ必要な装備なのかもしれません。だからこそ教習所で「急制動」なんていう項目があるわけですしね。
 今のところお世話になったことはありませんが、まあ、保険みたいなものでしょう。そういえば任意保険もABSがついてることでちょっとだけ安くなりました。
 メーター周り。スピードメータは260キロまで刻んでありますが、180キロでリミッタがかかるため、雰囲気以外の意味はありません(そんなに出したことはありませんので、あくまでも聞いた情報ですが)。
 中央の液晶メータは、トリップや気温、水温など色々と表示してくれます。こういうところはさすがに近代的です。
 このメーター、夜になると青いバックライトで光るのですが、これがなかなかに雰囲気がいいのと、想像以上に見やすいので結構お気に入りだったりします。
 どうせつけるつもりだったスキッドパッドもついてました。見ての通り、もう既に立ちゴケのあとがありますが、これは自分でやったのではなく前オーナーの仕業です。尤も、どうせ自分でも立ちゴケするだろうしあまり気にはなりません。
 見てくれはともかく、いざというときに役に立ってくれるのであれば、このへんはまあわたしのような大型初心者には必須なような気がします。

○トップボックス

 GIVIトップボックスです。ただの箱なのに結構いい値段しますし、流線型デザインの後ろにぼこっと出っ張ってるのでカッコはあんまりよくありませんが、ツーリングが目的である以上、ある程度の荷物が運べないことにはどうしようもありません。タンクバックなどを必要に応じてつけるとかも考えたのですが、あれではちょっと小さいです。
 シート下の収納もそれなりの大きさではありますが、ヘルメットやデジタルカメラ(一眼レフ)が入る大きさではありませんし、いちいち物を出し入れするのにシートを開くのも面倒なので、何かしらの外付け荷物入れはどうしても必要になってくるでしょう。
 でも、こういうのをつけていない人たちもたくさんいるわけで、彼らはどうやって荷物を運んでいるのかちょっと不思議に思う今日この頃です。
 CB1300は標準ではキャリアの類がありませんので、取り付けにはオプションのアタッチメントが必要になります。
 一番大きいものよりもワンサイズ小さいものですが、これでもカメラはもちろんヘルメットだって悠々入りますし、特に困ることはありません。使い勝手も悪くなく、オープン/クローズはグローブをしたままでもできますし、走っていてもガタついたりせずしっかり作ってあります。
 ただ、ミラーで後方を見るとき、視界に入ってくることがあってちょっとうっとおしいかもしれません。使わないときは外してしまえばいいのかもしれませんが、そうすると今度は台座だけ残ってしまってこれはこれでカッコ悪かったりして難しいものです。。

○純正ナビ 「Gathers M」

 ホンダ純正のナビゲーションシステム「Gathers M」です。GARMIN社のzumo550という機種のOEM版で、ヤマハなどもこのナビのOEM版をオプション設定しているそうですが、ホンダオリジナルの要素として左手側につけるリモコンなどがついてきます。そのかわり、標準機やヤマハ機にはついている外付けバッテリがついてきません。
 ナビゲーション画面はシンプルで、3D表示とかそういう洒落た感じはいっさいないものの、MP3ファイルを再生できたり、SDカード経由でjpgファイルを再生できたり、Bluetoothを搭載していたりとなかなかに多機能。
 さすがに純正採用なこともあり、バイクナビとしての使い勝手はすごくいいです。操作は基本的にタッチパネルなのですが、グローブをしたままでも操作できますし、当然防振・防水については完璧(だそうです)。
 盗難対策に特殊ネジで固定されており、たとえば高速道路のSAなどでちょっとバイクを離れる時もそのままで問題ありません。長い時間離れるときなども、専用工具がついているので1分もあれば外せるでしょう。
 付属のヘッドホンで直接本体に差しても使えるのですが、あんまりスマートではないので、ソニー製のBluetoothヘッドホン受信機を買ってきました。ヘッドホンが別体になっているのがお店ではこれしかなくて、結構いい値段しますが仕方がありません。
 携帯電話がBluetoothに対応していれば、ヘッドセットと組み合わせてナビ経由で携帯電話の着信や会話なども可能なようです。
 ただし、Bluetooth機器との接続は結構難しいです。これは買ってきた受信機にも問題があるのかもしれませんので一概には云えませんが、結構何度もつながったと思ったら切れたりします。一度繋がってしまえば問題なく使えるのですが。


 クラッチレバー側についているリモコンは、音声を喋らせる「SPEAK」ボタンと地図の拡大縮尺のボタンがついているのですが、かなり内側についているためにちょっと押しにくい感じ。もうちょっとクラッチ側に寄っていると使いやすいのですが。
 尤も、地図の拡大・縮小は本体横のボタンでもできますが、これを押すよりはリモコンのほうが使いやすいのは確かです。できれば音声のボリュームボタンもあればありがたかったかも。


 基本的なナビ画面はこんな感じです。見下ろし型で地図自体はシンプル。ちょうど2000年くらいのCD-ROMナビとかそんな感じですね。曲がるところに来ると、この上に矢印が出て行く方向を指してくれます。
 目的地の探索もそんなに難しくありませんが、目的地を登録したりするときに使う日本語入力はちょっとやりづらいです。そんな頻繁に使うわけではないので別にいいのかもしれませんが。
 もちろん音声案内もしてくれるのですが、これもいまどきのナビと比べるとシンプル。いきなり「左です」とか「右です」とか云われます。ものすごい合成音声っぽいのはまあいいとしても、バイクナビの場合画面はほとんど見られないわけで、このタイミングでほんとに間に合うのか!?と思うこともしばしば。これはまあ、しょうがないと云えばしょうがないのかもしれませんが。
 このナビ、何気にすごいのが衛星捕捉の速さ。PSPのナビなどと比較するまでもなく、ほとんど待たせることなく衛星をキャッチしてくれます。GPSだけなのでトンネルに入ったりすると地図は止まってしまいますが、トンネルを出ると瞬時に衛星を捕捉してくれるので、短いトンネルが続くような区間では、そのほんのわずかな間に地図が進んでくれます。
 このへんはさすがにGPSナビを作り慣れているGARMINだけのことはある、というところでしょうか。


 ミュージックモードでMP3ファイルを再生させるとこんな感じです。
 当然、この画面から地図に切り替えても音楽は鳴りますので、カーオーディオのように使うこともできます(ただし、本体にスピーカはありませんので、ヘッドホンをつけないとそれを聴く手段はありません)。この場合、音声案内時は音楽が止まり、音声案内のみになります。
 本体の残りメモリにデータを入れることもできますが、こちらは容量があまり多くないので、SDカードにファイルを入れてそれを再生したほうがいいでしょう。SDカードだからと云って特にモタつきなどは感じません。
 ただし、さすがに外国製らしく、日本語のタグは対応していません。日本語タグのファイルを再生させるとこんな感じになってしまいます。いちおうファイルの再生は可能なようですが。
 ただし、Bluetooth経由だと音質はすごく悪いです。AMラジオを聴いているような感じ、と云っても過言ではありません。本体にヘッドホン直差しだと違うようですが、音楽を実用的に扱うならBluetoothでの接続は考えないほうがよいでしょう。
 まあ、どちらにしても片耳しか使えないヘッドホンですし(両耳をふさぐのは危ないですからね)、音質なんて気にしないと云えばそうなのですが、この音質はちょっと酷すぎます。
 と云いますか、これならいっそのことAMラジオの機能でもつけてもらったほうが、交通情報とか聴けてよかったかもしれません。

 また、本体を取り外してUSBでPCと接続させることもできて、さらに付属の地図ソフトと連携させると、走った履歴を地図ソフト上に表示させたり、逆にPC上で作ったルートをナビ側に書き戻したりできます。おそらくあまり頻繁に使う機能ではないと思いますが、長距離走った後に「ここを走ってきたのか」というのを目で見る分には面白いかもしれません。
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