速度警告チャイムを修理する
80年代までのクルマならではの装備のひとつ、速度警告チャイム。
難しい云い方してますが、要するに「キンコン鳴るやつ」です。
昔のクルマには必ずついてて、105〜110キロを超えると警告音が出るんですね。
昔父親が乗ってたGX71マークIIは105キロで鳴ってた気がしますが、この430は110キロで鳴るみたいです。
いつのまにかこの速度警告チャイムがついてるクルマもなくなってしまいましたが、それだけに旧車のアイコンのひとつ、って感じがあります。
で、いつからかわからないんですが、これがどうも鳴ったり鳴らなかったりするんですよ。
110キロを超えても鳴らないこともあるし、鳴ることもある。
120キロを超えると急に鳴ったり、一度鳴っても一度100キロを切ってからもう一度110キロを超えると鳴らないこともある。
最初からそうだったような気もするしそうじゃなかった気もするんですが、とにかく鳴ったり鳴らなかったりするんですね。
ま、こんなものなくても一向に困らないんですが、やはり旧車といえばコレがあってほしいじゃないですか。
というわけで、これを修理することに……したんですが、これが思いもよらぬ苦労をすることになるのでした。
まず、メーター裏の配線を確認。
メーター裏の100キロセンサーから配線が来ていて、それがチャイムにつながっている、という至極単純なシステムなようですが、SGL以上のグレードでは、タイムコントールユニットというユニットがあり、それを経由しているようなことも書いてあります。
が、タイムコントロールユニット付きかどうかでメーター裏の配線に違いはないようなので、とりあえず気にしないことにしました。
メーターを外し、整備要領書と照らし合わせてみると、整備要領書には載っているチャタリング防止リレーとかそのへんの配線がごっそりありません。
メーターをはずすときに落としてしまったのか、もとからなかったのかはわかりませんが。
ちょっと気になるのは、車体側に緑色のスピードセンサーらしきカプラが来てるんですが、外したメーターにはそれに対応するカプラがありません。つまり、この配線繋がってないんです。
このカプラの配線を辿るとどうもチャイムに繋がっている感じ。
これを繋いでないのになんでチャイムが「鳴ることがある」のかがぜんぜんわからない。
タイムコントロールユニットを介するからこの配線使わないのかな、とも思ったんですが。
整備要領書では、速度チャイムが鳴らない場合、(1)チャイムの確認→ヘッドライト消し忘れ防止チャイムが作動するかどうかで判断 (2)タイムコントロールユニットにテスタを差し込んで100キロセンサーと配線が生きてるかどうかを判断 (3)タイムコントロールユニットに電源が来てるかどうかを判断 というプロセスを経てチェックすること、と書いてあります。
(1)は簡単。スモールかヘッドライトを付けたままドアを開けてチャイムが鳴れば正常です。鳴らなければチャイムが故障しているというわけ。これは鳴ったので、チャイムは正常なようです。だいたい「鳴ることもある」んだからこれのわけはない。
次に(2)なんですけど、タイムコントロールユニットというのが運転席のペダルの横にあるんですが、これを取りだすのがめちゃくちゃ大変です。とにかくあれこれ内装を外さないといけない。ペダルの足元なのでむちゃくちゃ大変でした。
ハーネスの上からテスタをボルトレンジで当てて、チャイムが鳴りだせば100キロチャイムは生きている……ということなんですが、これが鳴りませんでした。
この場合、100キロセンサーが死んでるか、配線が切れてるかどちらか、だということだそうです。
しかし「鳴ることもある」んだから、100キロセンサーは死んでないハズ。
ちなみに、(3)のテストもやってみましたが、タイムコントロールユニット自体は正常に動いていました。
ということはやはり配線?
どこかで配線が緩んでいるかなんかで鳴ったり鳴らなかったりするのかな? などと思いつつ、とりあえず部品取りのメーターを買い込んでみたりなんかした……んですが、このへんから苦悩が始まります。
とりあえず、最終的に買ったメーターは2つ。全部前期〜中期ハードトップのものです。

一番上がこのクルマについていたものです。
真ん中が、ブロアムターボのATのモデルについていたもの。
一番下はディーゼルのハードトップMTのもの。
表から見たところで大きな違いはありません。
ディーゼル車はやはり、タコメータの回転数が全然違います。
また、右上の警告燈が、ガソリン車は「EXH TEMP」なのに対し、ディーゼル車は「GLOW FILTER」になっています。

ブロアムターボATとSGLターボは、ATのインジケータの有無以外はまったく同じです。
タコメータのイエローゾーン、レッドゾーンも全く同じ。

これ、まず最初にこのディーゼル用のメーターを買ったんですよ。
ネットオークションを眺めていたら、裏にチャタリング防止リレーがついてる、まさに整備要領書通りのものがあったので。
これをそのまま移植すればいいかなと思ってたんですね。
んが、そうはいかなかった。
チャタリング防止リレーから緑色のカプラが出ていて、それは確かに整備要領書通りなんですけど、このリレーから出ているカプラもメスなんですよね。
車体側もメス。つまり車体とこのカプラはつながんない。
チャタリング防止リレーを外してガソリン車のメーターに移植してみたんですが、当然これでは鳴りませんでした。
これで完全にお手上げになってしまい、しばらくの間鳴ったり鳴らなかったりの状態のまま放置していたんですが、あるときふとネットオークションを見てたら、4ドアハードトップのメーターで、同じようにチャタリング防止リレーがないメーターが出ていたんですが、それから緑のカプラが出てたんですよ。
よく見たらこのカプラ、どうもオスっぽいんです。
このオスカプラは完全にうちのメーターには存在していない。
ほかはどう見ても同じなのに。
結論としては、このオスカプラが抜けたかもとから抜かれてたかして、100キロセンサーがうまく働いてないのでは?と推測しまして。
試しにこのメーターを落札してみました。これがATのターボブロアムのものです。
というわけで、手元にクルマについてるものも含め、3つのメーターが揃ってしまったわけですね。
というわけで、先のメーター3つの裏はこんな風になってます。

一番上のわたしのクルマのメーターは、真ん中のブロアムターボのメーターについてる黄色と緑の線のオスカプラがありません。
そのほかはまったく同じです。

上から見たほうがわかりやすいですかね。

対して一番下のディーゼルのメーターは、チャタリング防止リレーがついていて、その先に黄色と赤の線がついてます。
チャタリング防止リレーから同じような緑色のカプラが出てますが、これはメスです。

また、スピードメーターとタコメーターの間に逆L字型のカプラがありますが、これが上2つのメーターには刺さっていません。
ディーゼルのメーターには、緑と黒の配線が出ていて、これがチャタリング防止リレーへ行っています。

整備要領書ではこのディーゼルのメーターの通りなんですが、この逆L字のカプラも車体側から出ているので、このディーゼルのメーターのリレーを使おうとすると車体側から出ているカプラを刺すところがなくなってしまいます。
タコメーターの下に「80」とか「81」とか書いてあるのは年式ですかね。
大きな違いはそれくらいです。
これはあくまでも推測ですが、最初期のモデルはこのディーゼルのタイプのメーターが使われていて、ターボが登場したタイミングで上2つのタイプのメーターになったか、あるいはターボはこのタイプのメーターなのか、どっちかなんではと思います。
試しにこのターボブロアムのメーターに入れ替えて、緑のカプラを車体のメスカプラと接続してみたら。

110キロでチャイムが鳴りました。
やはりこれか……!
ちなみにこれ、ATのターボブロアム用ですが、使用にはまったく問題なさそうです。
電圧計も油圧計も水温計もちゃんと動きます。
ぶっちゃけこのまま使っても大丈夫そう。
ATのインジケータランプの電球は全部抜いてしまっていたので、インジケータランプがどう光るかはわかりません。
というわけで、100キロセンサーから出ているっぽいこのカプラを今のメーターに移植して、ニコイチメーターを作成することにします。
このカプラーはスピードメーターから出ているので、ロアハウジングからスピードメーターだけを取り外し。
センサーだけ移植しようと思っていたんですが、思いっきりセンサーのネジを舐めてしまい、スピードメーターだけを移植することにしました。このときあまりに慌ててて写真撮り忘れた。
スピードメーターにはオドメーターがついているので、そのままスピードメーターだけを移植してしまうと走行距離が変わってしまいます。
いまさら走行距離がどうこう云うようなクルマではないんでしょうけど、車検証上距離不明車になってしまうのも気分がよくないんで、オドメーターだけをそっくり入れ換えてしまいました。
ブロアムターボのメーターのオドメーターを元のクルマのメーターに合わせる方法もありますが、このほうが簡単そうだったので。
ちなみに、オドメーターの数字ってほんとに簡単に戻したり進めたりできるんだなあということも改めて知りました。やろうと思えばいくらでもできちゃうんですね。あ、やってないですよもちろん。いまさらそんなことやったところでどうにもならん、というのもありますけど。
針が止まっているときに0の位置を指すように調整し、車体に組みつけ。
もちろん新たな緑色のカプラも忘れずに繋ぎます。
ゼロの位置がずれたまま組みつけてしまい、一度バラす羽目になったのは内緒だ。
動作を確認するためには、わざわざ実際に100キロ出す必要はありません。
表側のプラスチックカバーを外し、指で針を110キロまで持っていけばOK。
今時のクルマのようにコンピュータで速度を見ているわけではなく、針の位置で速度を見ているので、これでクルマは「走っていると勘違いする」わけです。
時速10キロくらいで自動ドアロックが動き、110キロを超えると……チャイムが鳴った!
この後、実際に走ってみて、スピードメーターとオドメーター、トリップメーターがきちんと動くことを確認すれば完了です。
これでおそらく大丈夫でしょう。
しかし疑問が3つ。
ひとつは、なんで「ときどき鳴ったり鳴らなかったりした」のか、ということ。
もし緑色のカプラが繋がってないのが原因で鳴らなかったんだとすれば、本来鳴るハズがないんですよね。
これがなにか別のところから速度を見てチャイムを鳴らしていたのか、なんなのか。
そしてふたつめは、もし仮に緑色のカプラがついてないが故に鳴ったり鳴らなかったりしたんだとしたら、なんでこのメーターには緑色のカプラーがついてなかったんだ?ということです。
最初はメーターを外した際にコネクタだけ脱落してしまったとかなのかなと思ったんですけど、あんなメーターの根元にあるセンサーまるごとごっそり落ちるってのはちょっと考えづらい。ていうかありえない。ネジなめるくらいに固く締めこんであるものですからね。これが丸ごと抜けるってのはちょっと考えづらいです。
もし最初はターボブロアムと同じコネクタがついていたんだとしたら、このメーターはこのカプラーが外されていた、ということになります。
まあ、前のオーナーがキンコンうるさいから意図的に外したということも考えられるんですが、それならカプラーを繋がなきゃいいわけで、わざわざこんなとこまでいじって外すってのもちょっと考えづらい。
となると、やはり最初からこういう仕様なのかなあ。しかしそれはそれで、そうだとすると車体側にメスコネクタがあるのがわからない。わざわざ使わないコネクタを残すかなあ、というような。しかし繋いでない状態でも鳴ることはあったわけで、「このカプラからの信号を使わないときもあるし、使うときもあった」ということになる……という、あまりにも謎の状態です。
そして最後に、なんで2種類(緑色のカプラーの有無で3種類?)のメーターが存在しているのか、ということ。
整備要領書の追補版も取り寄せてみたんですが、このメーターについての記述はありません。ターボだけ違うとかいう記述もない。謎です。
とりあえず直りはしたものの、謎が残りました。
うーん。
あと、電圧計はどうやらもともとついていたメーターのものはあまり精度が高くないようで、ブロアムターボのものはターボタイマーの電圧とほぼ同じ数字を指していますが、もともとついていたメーターはそれよりもかなり高い値を指しています。
これはもしかしたらメーター自体の調子があまりよくないのかも。
まあ、ターボタイマーの電圧計があるからいいんですが、電圧計だけブロアムターボに差し替えたほうがいいのかもしれないな。
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